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ご挨拶

会長挨拶

日本老年麻酔学会第38回学術集会大会長 中島 芳樹

 浜松医科大学麻酔・蘇生学講座の中島芳樹と申します。この度、日本老年麻酔学会の第38回学術大会の大会長を拝命いたしました。歴史ある学会でありますので、多数の皆様にご参加いただき、実り多い大会にしたいと思っております。会期および会場は2026年2月27日(金)・28日(土)、アクトシティー浜松コングレスセンターで現地開催の予定で準備を進めております。

 今回の学会のテーマを「高齢者の長期予後を考える」といたしました。内閣府のホームページを見ますと令和5年10月の時点で高齢者の一般的な認識とされている65歳以上人口は3,623万人で人口に占める割合も29.1%となっております。日本老年学会などでは70歳前後まで比較的元気な方が非常に多いことから75歳以上を高齢者の新たな定義として提案されているようですが、何れにしても世界に例を見ないほどのスピードで高齢化社会を迎えていることに関しては疑問の余地がありません。

 一方、2020年頃から世界中で大流行したコロナウイルス感染症の影響を受けた年齢層は間違いなくこれら高齢者であることも事実かと思います。感染を恐れて外出を控え、他者との接触の機会も奪われたことで身体的にも精神的にも抑圧された期間が長期にわたり、健康寿命に大きな影響がありました。高齢者の運動および精神的能力の低下を表す言葉としてフレイルが挙げられますが、コロナ禍は間違いなくフレイル人口を増加させました。このような状態に陥った高齢者では認知症のリスクが高くなることがよく知られていますが、麻酔そのものと認知症の関連も近年よく語られる話題です。今回の学会では周術期管理を受けた高齢者が社会復帰を目指すにはどうあるべきかを議論し、より良い長期予後に向けて我々がしていかなくてはいけないことについて考える機会を提供したいと思います。

 静岡県は非常に温暖で2023年度の降雪量は沖縄、宮崎、静岡が0cmだそうです。ぜひ暖かい静岡県浜松市まで足をお運びください。

 皆様の積極的な参加を心よりお待ちしております。

日本老年麻酔学会第38回学術集会大会長
浜松医科大学 麻酔・蘇生学講座
中島 芳樹

事務局長挨拶

 ヒトの老化は避けられません。生命を維持する基本的な機構が衰えるのは自明ですが、超高齢化社会を迎え、高齢者の周術期医療の増加と研究の必要性が高まっています。今年度は濱口会長がテーマに掲げる「高齢者に優しい麻酔とは何か」を中心に、技術と知識を議論し、600余名の会員が情報交換することで、より良い麻酔を提供するための場です。

 本学会で興味深いのは、老年麻酔という言葉に「高齢麻酔科医の活躍と医療レベルの維持」、「高齢麻酔科医との学び」という意味を含んでいるところです。先人の様々な経験、広く深い見識と洞察力、豊かな人間性から学ぶ場であり、エキスパートも初心に帰って学ぶ場です。その雰囲気を大切にするため、「顔が見えそうな距離感の事務局」として丁寧な運営を心がける次第です。皆様のご協力をどうぞよろしくお願い申し上げます。

 2025年4月1日

日本老年麻酔学会 理事・事務局長
東北大学医学部 麻酔科学・周術期医学分野
山内正憲
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